相続税入門その4 課税対象とならない財産

相続税の課税対象とならない財産は墓所、寄付金などの財産のことです。
相続財産(遺産)の中では、相続税申告をする際に、課税対象となる財産と課税対象とならない財産があります。
例えば、生命保険や死亡退職金は、本来は被相続人(亡くなった方)の財産とは言えないのですが、相続が発生したことによって得た財産とされるので、相続税申告では、課税対象となります。
これをみなし相続財産といいます。
また、被相続人が亡くなる前3年以内に贈与した財産も、相続税の課税対象とされます。
そして、相続税の課税対象とならない財産もあり、これらの財産を非課税財産と言われています。
非課税財産を具体的にあげると、墓所、寄付金、公益事業用財産などで、社会通念上、相続税の課税対象とするべきではないと考えられている財産のことを指します。
そのため、ひとつの節税対策として、財産を現金で持っているよりも墓所を亡くなる前に購入しておく方法があります。
墓所と同じように、相続した財産を国、市町村、公益法人に寄付した場合の財産についても、相続税の課税対象とはなりません。
また、被相続人が亡くなったことによって相続人が受け取ることになる生命保険金の一部や、相続人が代わって受け取る死亡退職金の一部も課税対象とはなっていません。

相続税の課税対象とならない財産
(1)墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物
ただし、骨董的価値があるなど投資の対象となるものや商品として所有しているものは相続税がかかります。

(2)宗教、慈善、学術、その他公益を目的とする事業を行う一定の個人などが相続や遺贈によってもらった財産で公益を目的とする事業に使われることが確実なもの

(3)地方公共団体の条例によって、精神や身体に障害のある人又はその人を扶養する人が取得する心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利

(4)相続によって取得したとみなされる生命保険金のうち 500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分
《例》
死亡保険金が1500万円で法定相続人が2名の場合、1000万円は相続税の課税対象となりません。
500万円のみが課税対象となります。
1500万円 − (500万円 × 2) = 500万円

(5)相続や遺贈によってもらったとみなされる退職手当金等のうち 500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分
《例》
死亡退職金が700万円で法定相続人が1名の場合、500万円は相続税の課税対象となりません。
200万円のみ相続税の課税対象となります。
700万円 − (500万円 × 1) = 200万円

(6)個人で経営している幼稚園の事業に使われていた財産で一定の要件を満たすもの
なお、相続人のいずれかが引き続きその幼稚園を経営することが条件となります。

(7)相続や遺贈によってもらった財産で相続税の申告期限までに国又は地方公共団体や公益を目的とする事業を行う特定の法人に寄附したもの、あるいは、相続や遺贈によってもらった金銭で、相続税の申告期限までに特定の公益信託の信託財産とするために支出したもの

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